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【終了】紫牟田伸子さんに聞く、シビックプライドとは。そして、いま地域に必要なこと。

いま長野だけでなく、日本中のさまざまな地域でプロジェクトが立ち上がり、またその動きが注目されています。そしてこの流れはこの十数年続くなかで、変化も起きています。例えば、消えようとする地域産業を守ろうとするような動きは、一時は東京という大きな経済圏や、またそこを飛び越えて世界へ売り出すようなことを中心としていましたが、地方創生と叫ばれるずっと前からその地域にある営みのなかにあった「あり方」を見つめ直し、必要以上に東京や世界を意識せず、その地域に合った最適解をそれぞれに探す流れに変わってきています。
これは、短期的に効果が出る、人の身体感覚以上の動きは長続きせず、小さくまとまるということではないローカライズとその継続が、プロジェクトが続いていくために必要となっていることの示唆のような気がしています。きっと、それが長い目で見たときに、回り回って人が訪れたい土地になっていくんだ、とも。

そういった日本全国にある幾つかの事例を探す中で、事例ともにそこに共通する想いを「シビックプライド」という言葉で説明する本を手にしました。今回の講師、紫牟田さんの著書です。紫牟田さんは「シビックプライド」を「『郷土愛』ともちょっと違っていて、その土地で生まれ育っていなくても、人がその場所に抱く『愛着』や『自負』のようなもの」と説明されています。その地域の人だけでプロジェクトは進みにくいなかで、仕事やお金ではない価値基準が必要であると仮定したとき、そこに必要なものであるように感じました。

2016年最後の「まちの教室」はスタッフ企画授業。1年間の授業の総集編のような形で企画をしています。テーマとして決めていたわけではないですが、地域、文化、経済など、地域が地域らしくあるための「あり方」を探ってきた1年だったと感じています。紫牟田さんの著書の中から、またご自身が関わられているプロジェクトから、その「シビックプライド」を紐解き、合わせてそんなプロジェクトが続いていくために、またその地域が地域らしく続いていくためには、いま地域に何が足りなく必要とされているのかを参加された皆さんと一緒に考えたいと思います。

開催日時/2016年11月26日(土)14時00分開始(13時30分開場/授業は2時間程度を予定)
会場/県立長野図書館(長野県長野市若里1丁目1-4)
定員/30名
参加費/1,000円
講師/紫牟田伸子(編集家/プロジェクトエディター/デザインプロデューサー)
授業コーディネーター/瀧内貫(株式会社コト社 代表取締役/まちの教室 プロデューサー)

主催/まちの教室
後援/県立長野図書館

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※授業内容は予告なく変更される場合がございます。
※開場は授業開始30分前です。開場から授業開始時間の間に受付をお済ませください。尚、授業開始より10分を超えて遅刻された場合は、公共交通機関の遅れなど、やむを得ない場合を除き受付終了とさせていただきます。

講師
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紫牟田伸子
編集家/プロジェクトエディター/デザインプロデューサー。美術出版社、日本デザインセンターを経て、2011年に独立。「ものごとの編集」を軸に企業や社会・地域に適切に作用するデザインを目指し、地域や企業の商品開発、ブランディング、コミュニケーション戦略などに携わる。主な著書に『シビックプライド:都市のコミュニケーションをデザインする』『シビックプライド2:都市と市民のかかわりをデザインする』(共同監修/宣伝会議/2008、2015)、『編集学:つなげる思考・発見の技法』(単著/幻冬舎/2014)『シビックエコノミー:私たちが小さな経済を生み出す方法』(編著/フィルムアート社/2016)など。

授業コーディネーター
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瀧内貫
1978年大阪生まれ、長野育ち。デザイナー。
1999年、長野工業高等専門学校環境都市工学科卒業後、測量設計やシステムエンジニアなど複数の専門職種を経て、2007年より独立。地域に根ざし、ブランディングや印刷、ウェブサイト制作のディレクションやデザインを多数手掛けるほか、地域課題を整理、解決するための活動やプロジェクトに携わる。株式会社コト社 代表取締役/クリエイティブディレクター。
http://ta9chi.jp/