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未来への手紙

長野県長野市の南部、街道の分岐点となる篠ノ井の地で、2013年に「しののい まちの教室」としてスタートし、翌2014年からは、これまで「まちの教室」として、篠ノ井だけでなく、松本、塩尻、小諸、諏訪地域、伊那と長野県内各地にて開催、これまでに共催やオーガナイズ依頼を含め、合わせて80近くの授業を企画開催してきました。
今年2020年1月、2020年末に一区切りとすることを発表してから、すぐにこの状況下。何度も開催してきた授業コーディネーターなどと対話を重ねてきた私たちは、「集まることのシナジーこそがまちの教室である」と考え、オンライン開催はしてきませんでした。
そこで、私たちは「未来への手紙」として、いくつかの企画を打ち出し、2020年を終えたいと思います。
まるで定点観測のように独立前から追いかけてきた人との、現在地とこれからを探るような対話をする企画と、まちの教室をきっかけに知り合い、2015年の大地の芸術祭での対話を経て、その3年後、2018年の同じトークゲストと行った対話の記録を出版、おそらく企画できるであろう2021年は奇しくもそのさらに3年後。大きな変化を経た社会を俯瞰して見える景色とそこで活動する冒険の現在地を語る企画を開催したいと考えています。
あともうひとつ、アートとビジネスと地域をめぐる未来志向の対話をしたいとお声がけしたもう一方との対話。合計3つの企画を「未来への手紙」として送ります。

【vol.063】まちの教室 未来への手紙#01
講師/川口瞬(真鶴出版)
授業コーディネーター/菊地徹(栞日代表 / 企画・編集・執筆)

川口瞬
真鶴出版代表。1987年山口県生まれ。大学在学中にSHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSにてインターン。卒業後、IT企業に勤めながらインディペンデントマガジン『WYP』を発行。“働く”をテーマにインド、日本、デンマークの若者の人生観を取材した。2015年より神奈川県真鶴町に移住。「泊まれる出版社」をコンセプトに真鶴出版を立ち上げ出版を担当。地域の情報を発信する発行物を手がける。「LOCAL REPUBLIC AWARD 2019」最優秀賞。

菊地徹
1986年、静岡県静岡市出身。大学卒業後、旅館勤務、ベーカリー勤務を経て、2013年夏、長野県松本市で栞日を開業。国内の独立系出版物を扱う書店兼喫茶としてスタート。翌年の夏からブックフェス「ALPS BOOK CAMP」を主催。2016年夏には、現在の店舗に移転リニューアルオープン。同年秋、毎回ひと組限定で中長期滞在型の宿〈栞日INN〉を旧店舗にて運営開始。2019年春には「これからの日用品を考える」がテーマのギャラリーストア〈栞日分室〉も始動。今春、企画・編集・執筆を生業にすることを宣言。まつもと市民芸術館の広報誌『幕があがる。』編集メンバー。

【vol.064】まちの教室 未来への手紙#02
講師/後藤寿和・池田史子(gift_)
授業コーディネーター/瀧内貫(株式会社コトト 代表取締役/ミリグラム株式会社 取締役/まちの教室ディレクター など)

gift_(ギフト)
後藤寿和と池田史子が2005年に立ち上げたデザインユニット。空間・インテリアのデザインを軸としながらも、物理的にハコ、モノをつくることのみならず、プロジェクトおよびコンテンツの企画制作、運営等も含めて、すべてを「場」「状況」のデザインととらえ、多面的な視点で、新しい価値を生み出したいと考えている。
2005年、東京・恵比寿にデザイン事務所兼ギャラリーショップ「gift_lab」を設立。2012年、新潟県十日町市の松代にある民家をリノベーションし、多拠点ワーク&ライフスタイルの実験の場として、カフェ&ドミトリー「山ノ家」を始動。2014年、清澄白河に拠点を移し、カフェを併設した「gift_lab GARAGE」をオープン。2016年春より自由大学にて、「gift_」として講義「未来を耕すダブルローカルライフ」を行う。

後藤寿和
デザインユニット「gift_」の空間デザイナー。商業空間、オフィス空間、個人邸など幅広く空間や家具などのデザイン監修、設計を手がけると同時に、デザインイベントの空間構成・環境演出なども多面的に携わる。

池田史子
デザインユニット「gift_」のクリエイティブディレクター。展覧会やイベントの企画制作、空間デザインのコンセプト立案やスタイリング等を手がける。デザインだけでなくアートの領域からもボーダーレスなキュレーションを行う。

瀧内貫
1978年大阪生まれ長野育ち。株式会社コトト 代表取締役、ミリグラム株式会社 取締役。地域に根ざし、ブランドデザインや各種広告などのデザインディレクションを手がけるほか、ソーシャルグッドのための活動やプロジェクトをコーディネートするなど、様々な分野の「橋を架ける仕事」として、グラフィックデザイン、コミュニティデザインを基軸としながら活動。単一の仕事に携わるだけでなく、多様なコミュニケーションや複数のプロジェクト企画などを組み合わせた、立体的なディレクションを得意とする。公立大学法人 長野県立大学ソーシャルイノベーション創出センター 地域コーディネーターや、株式会社studio-L 外部パートナーとしても活動中。公私混同、仕事とプライベートの境目なく、長野県とその周辺をぐるぐる。関係人口的に通い続けている地域として、長野県木島平村、長野県根羽村などがある。

【vol.065】まちの教室 未来への手紙#03
講師/桜井肖典(一般社団法人RELEASE; 共同代表/構想家)
授業コーディネーター/瀧内貫(株式会社コトト 代表取締役/ミリグラム株式会社 取締役/まちの教室ディレクター など)

桜井肖典
2000年よりデザインコンサルティング会社を経営、様々な分野でデザインプロジェクトの企画監修を重ねる。2012年より持続可能性と事業性を両立する「未来が歓迎するビジネス」のデザイン組織としてRELEASE;を始動。「藝術と社会変革のあいだ」で経済活動をプロデュースする構想家として、社会の大きな物語を編み直す人文学的なアプローチと共創によるビジネスデザイン手法を軸に、大企業や自治体からスタートアップや非営利団体まで領域横断的なプランニングとディレクションを実践する。『Community Based Economy』呼びかけ人/京都市ソーシャルイノベーション研究所コミュニティ・オーガナイザー/京都経済センターオープンイノベーションカフェ『KOIN』ディレクター/長野県立大学ソーシャル・イノベーション創出センターアドバイザリー・メンバー。共著に『青虫は一度溶けて蝶になる』(春秋社)がある。