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ぼくらはストーリーを買っている!?

「しののい まちの教室」スタッフの福田です。

全12回にわたって「場の継続」についてのレポートをしていく第5回目。
今回は11月16日の午前に行われた授業の内容をレポートします。

アンヤットの代表取締役を務める、濱本学泰さんをお招きして、場所や地域の中でお金を生み出し、持続していける方法を学びました。
今回の会場は前田製作所の建物の11階。
いつもは見られない高さで篠ノ井のまちを眺めながら、開放的な気持ちで授業が進むような気配を感じました。

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まずは長野のものをどうやってお金にするかをグループで考えてもらいます。
リンゴ、蕎麦、米、カラマツ(木)をお題にして長所や短所などの特徴を把握して、そこから売り出し方を考えます。
ダジャレで音を踏んだフレーズをつけたり、ゆるキャラを生み出したりと楽しみながら様々なアイデアが出てきます。

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歴史からヒントを
まちや土地の歴史を深く掘り下げることで、他の地域にはない特徴やストーリーが見つかり、それがものを売り出すときの付加価値や必然性へとつながると濱本さんは言います。
確かに今回、普段身近なものである長野のものどの売り方を考えた際に、なぜ長野でリンゴが有名なのか?リンゴってどうやって食べるっけ?と改めて考えてみると“長野の”○○というのが大切で、その特徴やストーリーを中心に押し出すことに、可能性を感じました。

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地方にお金が流れる循環型の経済システム
「ある時ふと気付いたんです、地方こそお金が流れてないじゃないかと。そこで、地域の中でお金がぐるぐる回るような経済をつくれないかと思ったんです。」
と小松市に帰ってくるきっかけを話す濱本さん。
まちづくりをする時、継続していくようにしなければそれぞれが単発で終わってしまい、まとまりもなくなってしまうので、お金が新たなお金を生み出すようなお金が循環するシステムをつくることが必要です。
小松市での濱本さんの活動をお聞きすると、濱本さんが仲介になることで、地域の人をたくさん巻き込み、どの人にもメリットがあるシステムが生まれていました。
グランドデザインをはっきりさせて、最初のお金を調達し、システムやネットワークを構築して、活動を広く発信して、人をどんどん巻き込んでいく。
地域にお金が流れるために、濱本さんが大事にしてきたポイントを教えていただきました。

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これから強いのは地方だ
濱本さんが話す地方は、きれいな水があり、食物をつくっていて、自然や歴史などの資産がたくさんあるとても豊かなイメージでした。
その資産を都会や外国に取られないように大切に守ってき、それを武器に地域内で循環できるシステムをつくることができれば、外で何があっても安心して暮らせるんだと。

最近、地方での動きが活発になって注目されていますが、この話を聞いてその理由が少しわかった気がしました。
都会はものや情報がたくさんあって憧れるところもありますが、コロコロと変わる社会情勢に左右されて、不安や心配がどこかで引っかかっている、落ち着かない場所なんだと。
だから、資産が安定していて自給自足が成り立つ、経済的にも文化的にも落ち着ける地方に目が行き始めているんじゃないかと思いました。

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経済やお金の話となると堅いイメージですが、終始ユーモアを織り交ぜながら話す濱本さんは、とてもやわらかいイメージでした。
地域循環経済システムをつくるということは、人と人の良好な関係を地域内でつくっていくことだとも言えます。
濱本さんの知識や経験の上にやわらかな人柄もあって、小松市での活動が成功しているんだなと感じた授業でした。

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(しののい まちの教室スタッフ 福田真享)

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濱本学泰(株式会社アンヤット 代表取締役)
ファンドマネージャー時代の経験を活かして、地元の小松市を中心に「裾野の広いお金が流れる新しい産業構造の構築」に取り組む。「小松うどん全国ブランド化事業」「小松産六条大麦の地産地消事業」「中心商店街再生事業」「こまつ農林水産業の支援事業」等、「まちの仕組みづくり」を行う株式会社アンヤットの活動は最先端のまちづくりとして注目を集めている。