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地域の歴史と人が交差する場所

「しののい まちの教室」スタッフの大沢です。

8月17日の午後、第4回目の授業は、グラフィックデザイナーの萩原尚季さんを講師にお呼びしての授業でした。
萩原さんが代表を務める、コロンというグラフィックデザイン会社は、錆びつかないでコロン、コロンと転がり続けたいという思いからつけられたそう。

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ロングライフデザイン
前半は萩原さんの山形の活動についての話をうかがいました。
萩原さんはデザインの仕事を受けるとき、すぐには作らないのだそう。長文堂のデザインにいたっては、始めるにあたり2年間も工場に入り、何が本当に必要か必要じゃないか探ったという話には驚きました。
それは、長く続いていくものを作りたいという萩原さんの思いからきていると感じます。しっかり考えられてないものはうまくいかない、と萩原さん。グラフィックデザインでも、場づくりでも古いものは古いまま残したいし、何か新しく作ってもずっと残るものを作りたいといいます。

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伝統と地域の結びつき
古い場所を活用するという事例が、小学校の旧校舎を利用した山形まなび館。ここでは教室をギャラリー、職員室をカフェにしたりして、市民の交流や学びの場所として作られました。まなび館では子どもたちが和紙やあかべこ作りなど、山形の伝統を体験できる教室などを開いていました。これまで続いてきたものを活かして、山形の伝統を新しい形で先につなげていっているのだと思いました。
この授業にあたって私たち授業スタッフで、場所づくりをしている人の話を聞いてきました。インタビューをした方のなかにもいましたが、古いものを利用するという考えは最近注目されることが多くなっていると感じます。しかし、そこに伝統を結び付けて地域に開放する萩原さんの場所づくりは、特別地域との強い結びつきを強く感じました。

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地域としっかり向き合う
後半は参加者さんに感想や質問を出してもらい、それに基づいて話をしました。
印象的だった話は、萩原さんは、地域の人が自分の地域とどう向き合っていくかということ。地域に対して何か求めるのではなく、自分たちがまず行動することが大切だといいます。大阪に住む方たちは町に橋がないと不便だからと自分たちで橋を作ってしまったといいます。
「何かに頼るんじゃなくて自発的に何かやる。それを地域が助けるくらいがちょうどいいんじゃないかなと思います。」
自分の地元のことは、意外と知らないことがと多いと思います。だから不便なこととかも当たり前で気づきにくい。萩原さんの「自発的に何かやる」ということは、地域にしっかり向き合うことなのかな、と感じました。

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萩原さんにとって場所とは何か、の問いに対してこう語ります。
「場所って人とつながる場所っていう形で捉えてますね。」
人のつながりを大事に考える萩原さん。萩原さんの人との向き合い方は、場に対する考え方と同じだと思いました。ずっと続くものを作るというという強い思いは、人と場所をじっくり深く考える萩原さんだからこそ生まれると感じました。

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(しののい まちの教室スタッフ 大沢芽衣)

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萩原 尚季 (アートディレクター/株式会社コロン 代表)
1976年茨城県生まれ。2000 年東北芸術工科大学を卒業後、同大学の大学院に進学し、スウェーデン・Konstfackでの交換留学経験から2001年デザイン事務所「コロン」を立ち上げる。2010 年「株式会社 コロン」となる。同年、山形市立第一小学校 旧校舎再活用の委託事業社に選定され「山形まなび館・MONO SCHOOL」としてリニューアルオープン2013年3月末まで企画運営。現在はデザイン業務をメインに活動中。