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標高350mの「まち」で暮らすこと

「しののい まちの教室」運営スタッフの白石です。

本日7月20(土)に開校した、しののい まちの教室。
「山の暮らし まちの暮らし」というタイトルで、
企業組合山仕事創造者代表理事 香山由人さんを講師としてお招きし、授業が開かれました。
山に関する仕事や山が抱える問題、これまでの山のあり方などについて学び、山とまちのこれからのつながり方を参加者みんなで考えました。

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「そもそも長野なんて全部山だよ」
という香山さんのお言葉から始まったこの授業。

ー山の仕事とまちの仕事
ー山とまちのつながりについて
ー“しののい”の山について

以上、3つのテーマを中心にお話をしていただき、参加者の方とディスカッションを行いました。

そして、記念すべき第1回目の教室は、「山の話をするのだから、教室は山で。」ということから、茶臼山のふもとにある“りんご畑”でした。

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ー山の仕事とまちの仕事
山にはどういった仕事があるのだろうか?
という問いかけに、やはりすぐ思いつくのは「木を切る」という仕事。
林業だけをとっても、
「山には仕事が無尽蔵にある」と、香山さんがおっしゃるとおり、
「植える」「切る」「運ぶ」「製材する」「調査する」「計画をたてる」「地権者を探す」「地権者に山使い方を提案する」…など、様々な仕事があります。
そして、林業と聞くと男性の仕事、というイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。事務や地権者との交渉、そして山の現状を実施調査する仕事に女性が広く求められています。
また、山での仕事を創っていくためには、山の地権者の方との信頼関係を結んでいくことが必要。まちでいう、ご近所付き合いというものがとても大切なんだよ。という香山さんのお話がとても印象的でした。

ー山とまちのつながりについて
「山」と「まち」という風にいうと、
そこに隔たりや境界あるようですが、もともとはすべてが山。
そこに人が集り、村ができ、まちができ…
大きな時代の流れの中で、現在の姿が形成されています。
「日本人は木の使いかたをとことん知っていて、とても使い方がうまい」
この言葉とおり、日本人は燃料も道具も服も、山からの恵みを受け生活をしてきました。これは特別なことではなく、50年前までの日本人としてフツウなことでした。
しかし、「山のことは、今の70~80代に聞けばなんでも分かる。」
という言葉の裏返しとして、
現在、山とは縁がない、関わりがないと感じている人が多いのではないでしょうか?
せっかくこんなに近くに山があるのだから、
単純に「もっと山を使っていこう」「新しい山の使い方を考えていこう」というお話もあり、これからは山を守る、自然を守るという漠然とした視点ではなく、いわゆる「まちなか」に住む人も、もっと山を身近に考えてみてもいいかもしれないな、と感じました。

ー“しののい”の山について
しののいは、まちからすぐに山へ行くことができる。
これはとても魅力的なコト。
今回の教室であるりんご畑も、篠ノ井駅から車で10分もあれば着きます。
とても空気も気持ちのいい場所で、見晴らしも素敵なのですが、過疎高齢化によってあと10年、15年もすると担い手がいなくなってしまい、このりんご畑の景色が見られなくなってしまうかも知れません。そういった意味でも、仕事として山に関わることはもちろん大事ですが、これからの新しい山との関わりかたや農業、林業との接点を見出していくことはとても重要であると感じました。

こういったお話の中から、参加者同士のディスカッションでは、

「長野は特に、そこにある山の違いが文化の違いになっている」
「山で遊ぶ、という創造性のなかから仕事を生み出せないか?」
「子供をもっと山で遊ばせたい」
「先人たちがつくってきた山をいかに残し、いかに未来につないでいくことができるのだろうか?」
「私たちがまちと山をもう一度つないでいくような、中間的な役割になれないか?」

など、活発な意見交換が行われ、とても有意義で貴重な時間になりました。

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今日、香山さんのお話を聞いた参加者の方々、そしてスタッフも含め、
それぞれが新しい視点で山への関わり方を持つことができれば、「いい山」「いい森」をつくっていくコトにつながっていくのではないか、という期待が感じられた授業でした。

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(しののい まちの教室スタッフ 白石雄大)

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香山由人 (企業組合山仕事創造舎代表理事)
1961年生まれ。神奈川県川崎市出身。1994年、旧八坂村に移住。2000年、山仕事創造舎として独立。民有林の間伐材生産を中心とした林業を通じて、山村の暮らしを続けられるような仕事づくりを目指している。