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移住したい人が読むべき、移住を応援する人の話

いま住んでいる街は、あなたの本当に住みたい街ですか?

5月23日(土)に開催された「しおじり まちの教室」、この日行われた3つ目の授業はそんなことを考えさせられる時間でした。

成長期をとうの昔に通り過ぎ、成熟社会を迎えた私たち。
今では飽食の時代となり、贅沢さえしなければ食べていくことは難しいことではなくなりました。
生きる安心感を手に入れた次の幸せのあり方は、ライフスタイルと呼ばれるように「生き方」や「暮らし方」へとシフトしていきます。

授業タイトルは「好きなまちで、自分らしく暮らす」。
この授業も申し込み段階で30名を超え、注目度の高さが伺えます。

講師には京都移住計画のタナカユウヤさん、新潟移住計画の松岡さちさんです。
コーディネーターはもちろんこの人、塩尻の旗印、われらが山田崇さん。

さらに良い意味で予定通りにいかないのが、まちの教室の魅力のひとつ。
当日さらに上田市で地域支援事業をしている地元カンパニーから宮木さん、
松本市のコワーキングスペースKnower(s)から花輪さん、
長野市のコワーキングスペースCreeksから広瀬さんがパネリストとして飛び入り参加!
長野県への移住を応援するオールスターが出揃いました。

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県内、県外からたくさんの人に参加していただきました

観光から関係へ
雑誌TURNSで表紙に取り上げられ、高い注目度を集める京都移住計画。
(Facebookページのいいね!は6,000を超えたそう!すごい!)

生きていくための「衣食住」ではなく、移住のための「居職住」をサポートし、
「生きたい場所で生きるのが当たり前の世の中に」をミッションに活動をしています。

「居」は居場所づくりや仲間探しのお手伝い。茶論(サロン)で人を繋げたり、京都WEBお仕事フェスなどで移住を考える接点や機会をつくっています。
「職」は職探しのお手伝い。求人メディアはもちろん、そもそもの仕事作りのため伝統工芸を担う会社からデザイナーや広報の需要を掘り起こしています。
「住」は住まい探しのお手伝い。不動産紹介サイトのほか、DIYして町家で暮らしたいなど多様な住環境へのニーズにそれこそ手取り足取りで支援しています。

この日も入れて約1週間旅を続けていたタナカさんの言葉から特に印象的だったことがあります。
「僕たちはとにかく旅先で人に出会うようにしていて、その場所に住んでいる人と話したり、一緒に歩いたり、時にちょっと仕事を手伝ったりしています。
そうすると、町じゃなく人と関わるから観光じゃなくて自分自身との関係になるんです。だからこそ、居職住のうちめちゃくちゃ大事にしているのは圧倒的に”居”なんです。」

この授業の中でも最後に3人1組になってディスカッションがあり、山田さんが止めても止まらないほど白熱していたほど。
他人から意見を言い合った関係となり、つながりが生まれた瞬間でもありました。

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支援ではなく応援を。京都移住計画のタナカさん(右)

がっつり交わる
新潟移住計画の松岡さんは28歳。出身は新潟ですが4年半前まで京都に住んでいました。
実はこの新潟移住計画が生まれたきっかけは京都移住計画でした。

「新潟帰りたいけど、帰れない。仕事ないだろうな。おもしろい人いないだろうな。って考えていて、京都で新潟人コミュニティをしてみたらみんな同じ悩みを持ってました。だったらやってやろうと思って(笑)」
なんとも男前な行動力です松岡さん!

実際新潟に移住をしてからは、地元のコミュニティにがっつり入り込み、ついこの前トラクターを運転したそう。
(最新のトラクターはエアコン効くし、CDも聞けるんですって!)

知った聞いた話ではなく、自分が所属する地元コミュニティの課題だから自分事になります。
それを移住という方法で解決できないか、新しいコミュニティをつくり日々奮闘しています。

松岡さんはただ住む場所を変えただけでなく、地元のコミュニティに入る、それもがっつり入ることを選択しました。
家賃を払えば住む場所はどこでも選べます。ですが、移住の目的は住所変更ではありません。
地域と交わり、人と交わるからこそ、得られる豊かさがあるのだと教えてくれました。

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新潟トラクター女子。新潟移住計画の松岡さん

信州移住計画を
地元カンパニーの宮木さんは人口2,000人の生坂村の出身。
「こんな田舎いやだ!」と東京の大学へ飛び出したけど、離れてみたらあれだけ嫌だった地元が好きになってしまいました。
別れて気付いた恋人の魅力と同じように、他の町に住んで気付く地元の魅力。

都内で開催された「信州若者1000人会議」というイベントに参加し、戻りたい願望がピークに。
興奮おさまらない宮木さんはそのイベント中に主催企業に転職が決まるというドラマチックな展開でUターンが決まります。

地元カンパニーでは、川に戻ってくる鮭の習性から名づけた「若鮭アカデミー」にて地域の課題と担う人をくっつける取り組みをはじめたり、高校生と長野県のいけてる社会人とを引き合わせる機会をつくっています。
他にも県内のコワーキングスペースでも移住関連のイベントが定期的に開かれており、個々での活動をそろそろ1つにして信州移住計画へという動きがまさにこの授業からはじまりそうです。

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自ら鮭となった地元カンパニー宮木さん

移住とは定住ではない
「移住と定住は違う。移住をもっと気軽に。」
今回のパネリストの話を聞いて強く感じたことがこれです。

人生のステージは変わります。結婚したり子供ができたりすれば、ライフスタイルも変わります。
となれば、住みたい場所も自然と変わります。

移住したからずっとそこに住むことを約束するわけじゃないし、もしかしたら違う場所へまた移住をするかもしれません。
でも、それでいいんだと。移り住むことは別に悪いことじゃないんだと。

地域と関われば、思い出が生まれ、人と関われば友達ができ、そしてその町のファンとなる。
そのファンが今度は町に人を連れて来る。この好循環の仕組みづくりこそ素晴らしいことではないでしょうか。

あまり重たく考え過ぎず、とりあえず一歩を踏み出してみようかな。
参加者はきっとそう思ったはず。さあ、あなたも話を聞きに動いてみては。

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みんないい顔してるぜ!

(まちの教室スタッフ 藤原隆充)

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タナカユウヤ(京都移住計画)
1984年生まれ。滋賀県出身、京都在住。現在、京都への移住を支援する「京都移住計画」を中心に、京都の町家を活用した起業支援施設「京都リサーチパーク町家スタジオ」の館長として起業やスタートアップのコミュニティ支援を行う。今後、地域やものづくりの分野で「人と人、人と場のつながりを紡ぐ」事業を考えている。

まつおかさち(新潟移住計画)
1986年生まれ。新潟県出身、長岡市在住。京都在住時、京都移住計画メンバーと出会い、つながる中で、出身地である新潟県での移住者応援を行う「新潟移住計画」を立ち上げる。中越防災安全推進機構が実施するイナカレッジインターン生。