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何が生まれるかはわからない

昭和57年に中央東線、中央西線、篠ノ井線のが交わり完成したデルタ線。
今回はそのデルタ線が見える場所が教室に設定されました。

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山田さんのパフォーマンス(作品)は5年前のプロジェクト「KADO」がテーマ。
KADO(家働)は、長野県塩尻市で行っているひとり親家庭等の在宅就業支援プロジェクト。ひとり親家庭のお母さんを対象に、IT研修を受けてもらい、安定した仕事に就いてもらうことを目的にスタートしたそうです。

当初、このプロジェクトは、オフィシャルな会議ではやめようという話になったのですが、山田さんの中の「何か」が動き、誰かに止められるまでは企画を作ってみようと動き出したそうです。
先は分からないけど、やれるだけのことをやろう。という山田さんの熱い想いと、一緒に企画を作り上げた職員の方の努力が実り、プロジェクトが実行できたのだと思いました。

そして、山田さんがまずやったことは、塩尻のひとり親家庭のお母さんにアンケートを取り、家に伺って実際に面談をしたそうです。
そこで、困っている現状を垣間見ました。これは、やらなくてはならないと強く思ったそうです。
山田さんの情熱的な行動力は、人と会うことによって生まれているような気がしました。それと同時に、人をつないでいく人なのだと感じました。

第二部は小林さんによる、山田さんへのインタビューが行われました。

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山田さんのパフォーマンスは、5年前のプロジェクト。今も残っているものに焦点を当て、当時の想い、意図を事実から逆算していくアーティスト・トークをしたかったということでした。
また、nanodaのことを講演で話すことは多いけど、塩尻での公務員のこと、普段の仕事のお話をする機会はほとんどないのだそうです。そんな貴重なお話を今回は聞くことができました。

インタビューの中で、特に気になったのは、nanodaとKADOの共通点。

nanodaは「空き家を借りてからヒアリングしている。」
KADOは「企画が通った後、お母さんに何が困っているのかを聞く。」

そこから見えてきたことは「一番重要なことは、問題を抱えている人に直接会う」。
人から聞いた話ではなく、直接会って話すことによって、心が動かされるのかなぁと感じました。

第三部では小林さんに吉田さんがインタビューを行いました。

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ブランクラスでは毎週土曜日にイベントを開催。
様々なアーティストのパフォーマンスと小林さんによる公開インタビューが行われています。

吉田さんの素朴な疑問「間違って来るお客さんを望んでいる?」
このイベントが見たいっていう人より、何をやってるかわからないけど、何か見たい人に来てほしい。と思っている。それはどうして?普通のお店はリピーターをつけるのが重要だけどブランクラスではそれをしない。パフォーマンスをする人は選ぶけど、その人が何をするかまでは関わらない。

吉田さんの熱い気持ちが伝わってくる質問でした。

小林さん「何が生まれるかはわからない」
お客さんが望んでいたものではないかもしれないけど。実験してほしい。

ブランクラスでは大御所もパフォーマンスをするけど、みんな緊張する。
「今日は緊張した(笑)」(山田さん)

プレッシャーを与えているわけじゃないけど、その緊張が宝物。
一生懸命なのがいい。そこで何か起こっているかもしれない。
見に来た人も何かを感じている。
収まるものでないものは、何でもアート。

芸術に疎い私も、ドキッとする言葉がところどころに発見出来ました。
山田さんがKADOの企画をとにかく作り始めたこと。
小林さんがお話してくれた、実験してほしい。ということ。
私達の暮らしや、仕事の中でも、先が見えないからやらない。
ではなく、とにかくやってみることで、何かが見つかるのかもしれません。

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参加された皆さんも、今回の講座の実験の中から、何か新しい発見があったのではないでしょうか。

(まちの教室スタッフ 河西香)

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小林晴夫(ブランクラス代表)
blanClass
横浜の住宅街にある小さなアートスペース。毎週土曜日のワンナイトイベント+公開インタビュー(Live Art)を5年間続けている。WEB、SNSを活用し、その場で起こる作品未満の行為、発言、発信をオルタナティブに摸索する。