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自分でどれを選択していくか

1日を通して開かれた「しおじり まちの教室」。
この日最後の授業であった01の授業。その会場であるnanoda内では、前日から“tento”3dayspop up storeの真っ最中。この授業時間だけのレイアウトに変更し、コンパクトなスペースの中でもまちの教室に関連するセレクト商品を見ていただける事ができました。会場内に入るとそんな楽しみも。

また、この授業の終了間近に長野県北部を襲った地震が発生しました。
会場が揺れ、一時中断する場面もありましたが、参加していた人たちは全員無事で、その日の授業を終える事ができました。余震の不安などもありますが、被災された方々の1日も早い復興と心の安心が持てるよう願っています。

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今回【授業01】「空き家と漆とぼくら −しおじりで生き方を語り合う夜−」にて
お話を伺った漆芸作家・橋本遥さん、研究員/配管工・大西真さん、設計者・伊藤聡宏さん。

それぞれ違った分野での3人が改装を行い活動の拠点とされている場が、木曽平沢にある
◆麻太の家
東京に住みながら、週末や夏期に滞在してものづくりに関する事の彼らの拠点となっています。

麻太の家の以前に活動のベースとなっていたのは、近くにある
◆平沢食堂レジデンス
1970年代に食堂だった場所で、職人さんが通っていた場所を改装。

の2カ所あります。(平沢食堂から転居して麻太の家へ)

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麻太の家の様子をスライドやマップで見せていただいたり、会場には写真や模型も拝見できるようになっていました。

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生まれが東京の橋本さん、大西さんは一緒に何度か木曽を訪れていた事があったそう。
橋本さんは大学時代に研修旅行にて木曽に初めて訪れた。美術大学卒業後の大学院生の時に平沢で1ヶ月ぐらい生活してみないかと誘われた事があり、塩尻市の工房で活動をしていました。そこから木曽平沢に2〜3年通う期間もあり、そこから知り合いやつてが増えたそう。平沢には遊びに来ている感じで、目的はなかったとの事。その後家を借りられるようになって改装したり、そこから平沢での活動が始まっていったようです。

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大西さんは大地の芸術祭(越後妻有アートトリエンナーレ)時に地震で傷んだアート作品群の古民家の耐震補強工事に参加した時の経験、現場で衛生設備屋さんとして仕事を始めた。大学でデザインアートマネージメントやマーケティング、リサーチのことに関わりながら、

「研究所でインターンになった時に色々な事を学ぶ。自分がイメージしていた世界を違っていて決めた」

「いろんな専門性を持って何かつくれたらおもしろいんじゃないか」

「お金はそんなになくてもいいが自由な時間が欲しい。自分がやりたい研究は麻太でできるのでは」
という思いなどから平沢へ。

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伊藤さんは大西さんと大学生時代からの知り合い。上海の設計事務所で働いて経験があり、日本に戻った時に知り合いがいない、人間関係をつくりたい 何か拠点が欲しいという思いがあり、再会した時に設計者になった事を知った大西さんから改修を見に来てほしいという誘いもあり参加するようになったとの事。

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麻太の家の近くには、木工など職人さんがいて、困った事があったらすぐ聞きに行く事ができたり、改装時に助けてくれる職人さんがいる事、川で魚を採ったり、山に一緒に入るなどの楽しさを教えていただいた職人さんがいるとの事。そういった地域、地元の人との交流も麻太の家の素になっているようです。

「ものづくりをする人、工房をつくって学生が夏休みに滞在して何かを作ったり漆の教室をやりたい」(アーティストレジデンスで住みながら作品をつくってもらう)
「ワークショップをやりたい」という部分の思いを持たれていたり、

「心理的な資本。希望や信用をもって集まったらその人が持っている人脈やそれを持って何が出来る・どこで出来るか」

「いろんな分野の人との交流 違う土地の人と何かが起こる」

「何をするかが重要。まちにいる事で、その土地に住んでいるなら何をそこでするか。仲間がたまたま会う事があるが、How toは無い。お互いやりたい事 まとまってやっている事 やろうと思えばできる。縄文時代だって家を作ったんだから」
などのことばがありました、ものをつくる場や人とのつながりを大切にしている思いがある事を3人の中にあるように感じました。

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後半は、参加者の方とのクロストーク。
授業コーデイネーターの3人と同じく、これから自分の道を踏み出す所、探している学生さんの意見や今回授業に参加しようと思われた動機等お話も。

自分の進路の選択を決めないと行けない時期。教員になりたいが、消去法で選んだ。家族の事や将来の事も考え、安定した収入をという部分からも考えた。でも、もう少し勉強もしたいので大学院という選択も。色々な方のお話を聞いて考えたいという、今まさに自分の進路と向き合っている学生さんがいらっしゃいました。
そのお話に対して、社会人の参加者の方の意見で

「就職が人生を決める訳じゃない。寄り道もいいと思う」

という言葉がありましたが、社会に出る前の学生さんもですが、社会人になっても自分の方向性、生き方を考えたり選択の必要な場面はあります。

「決められたあとも変えられる」事もあり、始める時に悩む事もあるけれど「やってみなきゃわからない」部分もある。

「自分でどれを選択していくか」

自分の価値観をどこに置いていて、どう選択して動いていくかということなのかなと思います。

(まちの教室スタッフ 宮坂詩織)

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大西真(麻太の家代表)
1983年生 東京出身。麻太の家を通して様々な専門性を持つ人々との交流活動を実施中。

橋本遥(漆芸家)
2013まで東京芸術大学塗装造形工房勤務。現在は漆芸教室やフィギュア原型制作の仕事をしつつ漆芸家として活動中。当面の目標は長野への移住。

伊藤聡宏(設計者)
2007-2010上海にて建築設計事務所 勤務2011-東京にて伊藤聡宏設計考作所として活動。