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紙がつなぐ「小さな世界」

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暮らしを見つめる本やリトルプレスを扱うお店「栞日」にて行われた今回の授業。「届ける手」である店主の菊地徹さんが授業コーディネーターを務め、講師には「綴り手」のWORLD YOUTH PRODUCTS(以下、WYP)・鈴木祥成さんと近藤亮一さん。そして「刷り手」である藤原印刷・藤原章次さんという、4者のクロストークで進んでいきました。

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リトルプレスは”手紙”のよう
リトルプレスとは、制作に携わるメンバーは1〜数人、発行部数も500部ほどと大手出版社に比べれば小規模な出版物です。企画制作から販売流通までをほとんど1人で行われている方もいるそうで、より広く、より多くの人に届けるのはちょっと難しいのかもしれません。ですがその分、読者の私たちには紙面から「綴り手」の人となりや温度のようなものが伝わってくる気がします。

「不特定小数に向けた”手紙”みたいなものですよね。内容に共感できた読み手にはすごく響く。自分が五感で取りに行った一次情報に近い二次情報として、自分の暮らしにも活かしやすい情報が詰まっているんです。」

菊地さんがリトルプレスの魅力を語ります。

「こうしたものが一人ひとりの生活のヒントになって、松本がカルチャーの多様性を持っていくと面白い。それが、まちへの恩返しにつながるとも考えています。」

リトルプレスや「栞日」が持つ、まちに対する”はたらき”の話からこれからの働き方を模索する『WYP』の話へと続いていきます。

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「コンセプトは『働きながら働き方を考える』です。」
この言葉、学生時代の自分に聞かせてあげたい!と本気で思いました。こういう選択肢だってもちろんあったはずなのに、当時は最初から「新しい働き方」を求めてもがいていたことを思い出します……。会社員として働き始めたばかりのWYPメンバーの「実感」から出発したこのコンセプト。社会人1年目の自分にとっては、まさに自分事として捉えられるきっかけとなりました。

そして、話題は今回の授業テキストになっている『WYP Vol.0.5 働きながら日本を探る』について。本誌は東京での展覧会をきっかけに生まれました。WYPメンバーのインタビュー記事に来場者が感想を書き込み、それをそのまま紙面に落としこんでいます。「綴り手」の実感に、読み手の実感が加わってどんどん多くの人を巻き込んでいく。とってもおもしろい作り方だと思いました。そういった過程を経て、鈴木さんは会社を辞めてしまったそう。

「今度は”辞めた”ことを踏まえて、何かできないかということを考えています。」

大量出版のものでは、なかなか編集者の顔を前面には出せないということですが、リトルプレスはメンバーの変化とともに内容が変化していくのも楽しみの一つな気がします。

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「世界観を打ち出していけるのがリトルプレスの強みですね。」
もう一人の講師、「刷り手」の藤原さんはこういいました。ぼくがグッと心を掴まれた一言です。
「綴り手」が見た世界、伝えたい世界をいかに「紙」という物質で実現させるか。その役割を担っている藤原さんならではの言葉だと思います。
ふと、周りを見渡すと『WYP』に直接、授業で感じたことを書き込みをしている方がいらっしゃいました。こういう世界へのコミットの仕方は紙ものだからこそできることかもしれませんね。

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この授業を受けていると、なんだかぼくもリトルプレスを作りたくなってきちゃいました!
授業に参加されたみなさん、なにか一緒につくりませんか?

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『WYP』を読みたくてしょうがなくなってしまった方は
下記の「栞日」か「WYP」公式サイトからどうぞ!

栞日
WORLD YOUTH PRODUCTS
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(まちの教室スタッフ 小林稜治)

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近藤亮一(WYP 編集者)
1987年生。外資系IT企業に勤務しながら、2011年6月よりWYPに参画し、編集を担当。

藤原章次(藤原印刷)
藤原印刷後継者。2010年、藤原印刷入社。入社後は、リトルプレス・インディペンデント系の書籍を数多く担当。