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人生をかたち作っていく

今回の講師の清水貴栄さんは、コラージュ作家で映像作家。普段は紙でコラージュをしていて、布でコラージュするのは初めてとのこと。紙コラージュでふんわりやさしい雰囲気の映像作品をつくるディレクターさんです。
◆清水さんの作品はこちら http://www.shimizutakaharu.com/

そんな清水さんと授業をつくっていくコーディネーターの小林さんは、会場となった長野市善光寺下のシンカイに住んでいる服屋さんです。空き家だった旧シンカイ金物店を大学時代に改修し、イベントなども行うコミュニティスペースとして開いています。

授業が行われた日は、春らしい、いいお天気の日でした。穏やか昼下がりに参加者のみなさんがシンカイに集まってきます。

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集まったシンカイのテーブルには大量の服!!これ、コラージュ用にざくざく切ってしまいます。

参加者全員が集まったところで授業スタート。
まず、「哲学会話」をしていきます。「哲学会話」とは、答えの出ないような質問を一つ決め、みんなでそれについて深堀しながら話し合うもの。ルールは否定しないことと、「なぜそう思ったのか」を発言者に質問していくことです。今回はなにも手掛かりなくTシャツにコラージュするよりも創作のきっかけになるようにと、「哲学会話」をしていきます。

これは、清水さんがNHKの「こどものための哲学」という番組制作にかかわったことがきっかけで、こどもだけでなく大人も哲学することをこのワークショップでやってみることにしたそうです。「こどものための哲学」では「鼻くそがとれて気持ちいいのはなぜだろう?」を番組中に考えていくそう。

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今回の哲学会話のテーマは「人生」。さらに「人生」について自分が疑問に思っていることをみんなで出していきます。
人生は自分だけのもの?人生はなんでこの文字?人生の「生」という字は生かされているのか、生きているのか……。
たくさん上がった中から「人生における『いい』とは?」を今回話し合うことに。

「いい」にはたくさんの意味があります。理想、目標、お金…。いい人生って何か、その人の考えを話していきます。

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今回は私が気になった会話だけ、ご紹介します。

人生はそのとき「いい」と思ったことに積み重ねで続いていく。ここで出会った、今した選択の積み重ね。今ここで出会ったことも事故のようなもの。今ここにある布の中からいいと思ったものを選び、Tシャツのここに置きたいと思ってコラージュしていく。…小林さんの言葉です。

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このような会話で感じたことをきっかけにしてコラージュをし始めます。
布の山から気になる生地を探す姿はバーゲンセールのよう。
このコラージュの時間がスタッフとして周りで見ているのが辛いくらい、楽しそうでした。
女性ものの服を切り裂く経験がなかったのでドキドキしました、との声も。

コラージュをしながら哲学会話の続きをしたり、長野市の隣の松代から自転車で来たという元気なおじいちゃんとお話ししたり、自分の中で自分自身と会話をしたりする中で、その場でしかできないコラージュをつくっていきます。

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着なくなったTシャツに布コラージュをすることで、もう一度着るきっかけになれば、と清水さん。
真っ白のTシャツにコラージュするのも、下にプリントがあるTシャツをプリントを生かしつつコラージュするのも、どちらも違う楽しさがあるとのこと。

熱中してコラージュしていたため、授業終了時間を大幅にオーバーしてしまいました。
心行くまでコラージュできたでしょうか?

最後は写真撮影。「ハイ、哲学~!」

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どうでしょう、「私の哲学」感じるでしょうか?

(まちの教室スタッフ 越智風花)

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清水貴栄(コラージュ作家/DRAWING AND MANUAL)
デザイナー、映像作家。1987年長野県松本市生まれ 武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業、Drawing and Manualに入社。コラージュから生まれる独自な世界観で、映像からグラフィック、プロダクトまで演出する。アーティストのミュージックビデオやアートワーク、メルセデスベンツのWEBCMや、MTVのStation ID、BS Asahiのテレビ番組のオープニング映像などを制作。コラージュ作家としてNHKの番組にも登場し注目を浴び、映像作家100人2014(BNN出版)に掲載された。またライフワークとして、コラージュのワークショップを日本各地で開催し、ものづくりの場から生まれるコミュニケーションと、新しい表現について思考を深めている。